ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド

ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド
リトル・ウィリー・ジョンシングル
B面 ホーム・アット・ラスト
リリース
規格 7インチシングル
録音
ジャンル ブルースリズム・アンド・ブルース
時間
レーベル キング・レコード (4841)
作詞・作曲 William Edward John, Mertis John Jr.
チャート最高順位
  • 第5位 (US Billboard Rhythm and Blues Chart)(1956年)[2]
リトル・ウィリー・ジョン シングル 年表
All Around The World
(1955年)
Need Your Love So Bad
(1955年)
Fever
(1956年)
ミュージックビデオ
「Need Your Love So Bad」 - YouTube
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ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッドNeed Your Love So Bad)(あるいはI Need Your Love So Badの題名でも知られる)は、R&Bシンガー、リトル・ウィリー・ジョンが1955年に初めてレコーディングした楽曲。ゴスペル、ブルースおよびリズム・アンド・ブルースが特徴的に融合したと評される[3]。ジョンの2枚目のシングルであり、かつ米国における2枚目のチャート入りしたヒット曲でもある。

ジョンの最も著名な楽曲のひとつとして知られ、数多くのコンピレーション・アルバムに収録されている。1968年には、フリートウッド・マックがカヴァーし、イギリスおよびオランダのシングル・チャート入りを果たしている。

概要

曲の構成はAABA形式で、ハーモニーの使い方は典型的なR&Bバラードのスタイルとなっている[4]。しかしながら、この曲は「一般的なR&Bバラードとは大きく異なる濃縮され強烈な愛への嘆願」と評された[5]

ジョンは、この曲を1995年9月20日、ニューヨークにて録音した[5]。彼がヴォーカルを取り、ロバート・“ババー”・ジョンソンがピアノ、ミッキー・ベイカーがギター、ミルトン・ヒントンがベース、カルヴィン・シールズがドラムス、ウィリス・ジャクソンとデイヴィッド・ヴァン・ダイクがテナー・サックス、そしてルーベン・フィリップスがバリトン・サックスを担当した[5][6]

ソングライター・クレジットとリリース

ソングライター・クレジットについては、レコードのリリースによって異なるものが存在する。オリジナルのキング・レコードのリリースにおいては、ソングライターは"Willie John"となっており、フリートウッド・マックのオリジナルのブルー・ホライズン盤およびCBS盤シングルも同様である。しかしながら、コンピレーションによっては、ライターをジョンの兄である"Mertis John"としているものもある[7][8]

2001年に出版されたリトル・ウィリー・ジョンの伝記には以下の通り記述されている:

マーティス・ジュニアが楽曲の大部分を朝鮮で書きウィリーのもとに持っていった。ウィリーはそれに手を加えて曲を完成させた。ウィリーの個性は明らかにこの楽曲で発揮されており、マーティスは2008年になってから共作者としてウィリーの名前を復活させている[3]

アメリカ合衆国演奏権管理団体のひとつ放送音楽協会(BMI)はこの曲のソングライターとしてウィリアム・エドワード・ジョンとマーティス・ジョン・ジュニア(リトル・ウィリーと彼の兄の法的な氏名)の2人をクレジットしている[9]

キング・レコードがリリースしたジョンのこのシングルは、1956年にビルボードのR&Bチャートの第5位を記録し[10]、B面の"Home At Last”も同チャートの第6位のヒットとなっている[10]。この曲はジョンの最もポピュラーな曲として知られ、「Fever: The Best of Little Willie John」(1993年)[11]、「The Very Best of Little Willie John」(2001年)[12]など様々なコンピレーション・アルバムに収録されている。

参加ミュージシャン

  • Little Willie John リトル・ウィリー・ジョン - vocals
  • Willis Jackson ウィリス・ジャクソン - tenor saxophone
  • David Van Dyke デイヴィッド・ヴァン・ダイク - tenor saxophone
  • Reuben Phillips ルーベン・フィリップス - baritone saxophone
  • Robert "Bubber" Johnson ロバート・"ババー"・ジョンソン - piano
  • Mickey Baker ミッキー・ベイカー - guitar
  • Milt Hinton ミルト・ヒントン - bass
  • Calvin Shields カルヴィン・シールズ - drums[6]

カバー・バージョン

フリートウッド・マック

ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド
フリートウッド・マックシングル
B面 ストップ・メッシン・アラウンド
リリース
規格 7インチシングル
録音 ※ストリングスとホーンのオーヴァーダブは5月15日に行なわれた
ジャンル ブルース
時間
レーベル ブルー・ホライズン
作曲 William Edward John, Mertis John Jr.
プロデュース マイク・ヴァーノン
チャート最高順位
  • 第31位 (UKシングル・チャート)[13]
フリートウッド・マック シングル 年表
Black Magic Woman
(1968年)
Need Your Love So Bad
(1968年)
アルバトロス (あほうどり)
(1968年)
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1968年、フリートウッド・マックがマイク・ヴァーノンのプロデュースの下、ブルー・ホライズン・レコードに「ニード・ユア・ラヴ・ソー・バッド」を吹き込んだ[14]。ヴァーノンによると、彼はグループのギタリストであり、ヴォーカリストのピーター・グリーンに対し、ストリングスを加えることを提言した[14]。ヴァーノンはジョンのオリジナル・バージョンでギターを担当したミッキー・ベイカーにコンタクトし、この曲のオーケストラ・スコアを書くよう依頼している[14]

この曲はシングルとしてリリースされ、B面には「Stop Messin' Round」が収録された。1968年8月、UKのシングル・チャートの第31位を記録[13]、そしてオランダではチャートの7位まで上った[15]。後になって英国でブルー・ホライズンがシングルとして再発し、その際はB面に「No Place To Go」が収録された[16]。そしてCBSは「ホール・オヴ・フェイム・ヒッツ」シリーズのひとつとしてこの曲をシングルのB面でリリースした。このリリースのA面は"Albatross"だった[17]

この曲は、いくつかのフリートウッド・マックのコンピレーション・アルバムに収録されている。その中には『The Pious Bird of Good Omen』(1969年)[18]、『Greatest Hits』(1971年)[19]などがある。1999年には『The Complete Blue Horizon Sessions 1967–1969』がリリースとなり、この曲の別テイクが収録された。テイクのひとつにはグリーンによるギターとヴォーカルのオーヴァーダブがなされており、当初このバージョンが米国のシングルとなる予定だったがリリースされなかった[14]

ゲイリー・ムーア

1995年には、ギタリスト/シンガーのゲイリー・ムーアがピーター・グリーンへのトリビュート・アルバム『ブルーズ・フォー・グリーニー』(1995年)のためにこの曲をレコーディングした。ムーアのバージョンは1995年6月にシングルとしてリリースされ、UKシングル・チャートの48位を記録している[20]

その他のカバー

この曲はジョンの楽曲の中では「フィーヴァー」と並び、最も多くのカバーがなされた楽曲のひとつである[21]アーマ・トーマス (1964年)、ソロモン・バーク (1968年)、ジュニア・パーカー (1971年)、オールマン・ブラザーズ・バンド (1979年)、リトル・ミルトン (1980年)、スティング (1982年)といったアーティストがカバーをリリースしている[22]

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ Little Willie John - Discography (45cat)
  2. ^ Joel Whitburn's Top R&B Singles 1942-1988 (Record Research), P. 222
  3. ^ a b Whitall, Susan (2011). Fever: Little Willie John. London: Titan Books. p. 60. ISBN 978-0857687968 
  4. ^ Appen, Ralf von / Frei-Hauenschild, Markus "AABA, Refrain, Chorus, Bridge, Prechorus — Song Forms and their Historical Development". In: Samples. Online Publikationen der Gesellschaft für Popularmusikforschung/German Society for Popular Music Studies e.V. Ed. by Ralf von Appen, André Doehring and Thomas Phleps. Vol. 13 (2015), p. 31, 35.
  5. ^ a b c Grendysa, Peter A. (1993年). Fever: The Best of Little Willie John (liner notes). Rhino Records. p. 1. R2 71511。
  6. ^ a b The Blues Discography 1943-1970 The Classic Years, Les Fancourt & Bob McGrath (Eyeball Productions)
  7. ^ Wynn, Ron. “Little Willie John: Fever – Review”. AllMusic. 2020年8月26日閲覧。
  8. ^ Tapp, Richard. “Little Willie John”. Ace Records. 2006年9月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月26日閲覧。
  9. ^ “BMI Repertoire: "Need Your Love So Bad" (BMI Work #1052543)”. BMI. 2020年8月26日閲覧。
  10. ^ a b Whitburn, Joel (2004). Top R&B/Hip-Hop Singles: 1942–2004. Record Research. p. 228 
  11. ^ Wynn, Ron. “Fever: The Best of Little Willie John – Review”. AllMusic. 2014年12月22日閲覧。
  12. ^ Phares, Heather. “The Very Best of Little Willie John”. AllMusic. 2020年8月26日閲覧。
  13. ^ a b Roberts, David (2006). British Hit Singles & Albums (19th ed.). London: Guinness World Records Limited. p. 205. ISBN 1-904994-10-5 
  14. ^ a b c d Vernon, Mike (1999). The Complete Blue Horizon Sessions 1967–1969 (Boxed set booklet). Fleetwood Mac. New York City: Sire Records. pp. 8–9. 73003-2。
  15. ^ “Top 40 week 44 van 1968”. Top40.nl. 2021年4月29日閲覧。
  16. ^ フリートウッド・マック. "Need Your Love So Bad" / "No Place to Go" (Single notes). England: Blue Horizon Records. Label. 57-3157。
  17. ^ フリートウッド・マック. "Albatross" / "Need Your Love So Bad Need Your Love So Bad" (Single notes). England: CBS. Label. CBS 8306。
  18. ^ The Pious Bird of Good Omen - オールミュージック
  19. ^ Greatest Hits - オールミュージック
  20. ^ “Gary Moore – Singles”. Official Charts. 2020年8月26日閲覧。
  21. ^ Songs originally by Little Willie John | SecondHandSongs 2023年7月24日閲覧
  22. ^ Cover versions of Need Your Love So Bad by Little Willie John | SecondHandSongs 2023年7月24日閲覧
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  • MusicBrainz作品